なぜ個別指導だけでは成績が上がらないのか?

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佐藤塾では中学生は集団指導をベースに補助として個別指導をしております。
しかし、世間では「個別指導信仰」ともいえる根強い人気があります。
確かに個別指導には集団指導にはない1人1人に最適化した指導という魅力がありますが、果たして良いことばかりなのでしょうか?
今回は実はあまり知られていない個別指導の問題点についてお話していきたいと思います。

目次

個別指導の問題点①:先生は丸付け要員になりがち

私自身、大学生のころから個別指導塾でアルバイトをしていますので、その実態をよく理解しています。
私が働いていた個別指導塾は、先生が同時に3人以上の生徒さんを見る塾でした。
時には高校生に物理を教えながら、小学生に割合を教えていました。
しかし、残念ながら生徒さんが2人以上になると、解いている手元まで確認できません。

算数や数学なら、どこで詰まっているのか、どこで間違えているのかが教えるうえで非常に重要です。
しかし、ブースに分かれた生徒さんがを複数名教える場合、すべての手元まで確認しきれません。そのため、ほとんど丸付けしかできず、教えている時間は全体の10分の1くらいになってしまいました。

赤い丸が先生で、青い丸が生徒さんです。

右のように、視界の先に生徒さんが2人いる場合は、同時に2人教えることができます。

片方に解説しているときも、片方が解いている手元を確認することはできます。

しかし、左の図のように、両サイドとなると片方に教えているときは、片方に背中を向けることになります。これでは重要な解いている姿を確認できないため、個別指導の最大のメリットである手厚さが損なわれてしまうのです。

個別指導の問題点②:優秀な先生が足りなくなる

1人の先生が同時に手厚く教えられる人数は、最大で2名が限度です(本当は1対1がベスト)

しかし、ではすべての学習塾が1対1を採用すればよいかといえばそうではありません。

もし仮に週5日、夜3コマ勤務する先生がいるとします。

その先生が1週間に教えられる人数は、1対1なら最大15名、1対2なら最大30名です。

学習塾の規模にもよりますが、生徒数が30人近くなるともう1人の先生で対応しきることができなくなります。その結果、新しい先生を雇い、人員を補充するわけですが、塾業界には優秀な先生はそう存在しません。

もちろん、学習塾側も優秀な先生を頑張って探しますが、優秀な先生はすでに他で働いていたりとなかなか確保が難しいのです。

それでやむなく指導経験の浅い学生アルバイト講師を雇用することになります。

個別指導は労働生産性が低いため、必然的に個別指導を担当する先生の賃金は安くなってしまいます。
塾の先生たちはみな指導に熱心ですが、低賃金では優秀な先生は働いてくれないという実情がございます。

学生アルバイト講師の場合、長くても4年で大学を卒業し、就職してしまうのでせっかく4年間のキャリアで指導力が多少上がってきても、塾を辞めてしまいます。

その結果、学生アルバイト講師を雇用する場合、常に指導経験の浅いノウハウのない先生が指導することとなるのです。

よくあるケースだと、体験指導ではベテランの教室長が指導し、実際に習うときになったら別の学生アルバイト講師だったということはよくあります。

この課題は、人材確保の難しい新潟のような地方ならよりはっきり存在します。また学習塾業界は離職率も高いこともこの問題に拍車をかけています。

要するに、個別指導だと良い先生が教えてくれる可能性が極めて低いのです。

もちろん例外はあると思いますが
最も講師の質が低いのが『家庭教師』次に『個別指導』
最も講師の質が高いのが『集団指導』であることは純然たる事実なのです。

個別指導の問題点③:圧倒的勉強量不足

塾の役割は様々ですが、主に「予習」「復習」に分けられると思います。

苦手科目の克服などは「復習」に分類されます。

しかし、塾で習っている間にも学校の授業は進みます。新しく入れる必要のある知識は次から次へとやってきます。

週に一回の個別指導では「予習」も「復習」も追いつかないのです。

ましてや、中学校までの成績が芳しくない最大の要因は「勉強不足」です。

それなのに、週一回の個別指導で満足していては成績が上がるはずがないのです。

個別指導で学校の勉強の進度についていくためには、最低週2コマ、できれば3コマは欲しいのです。

元々学校では一週間に3回や4回授業のある科目を1回で網羅する試み事態に無理があります。

それも継続して同じ先生が担当し、その子の癖や課題を正しく認識したうえでカリキュラムを組む場合に限ります。

もし定期的に先生が変わるようなことがあれば、また最初からその子の課題探しから始めなくてはなりません。これは大きな時間のロスになります。

以前からブログで何度か個別指導の問題点については語ってきましたが、今回は主要な問題点を3つ挙げて解説してみました。
しかし、そうはいっても個別指導には集団指導にはない手厚さがあります。
1対1で優秀な先生が教えてくれるならこれ以上ないほど有益な時間になるでしょう。

ですが、現状その状態を地方で確保することが困難であることも事実です。
要はどちらが絶対的に良くて、どちらが悪いというものではないのです。
正しく1人1人の状況に応じてバランスよく使い分けることが肝要なのです。
そのため、佐藤塾では集団指導をベースとし、個別指導は補助として活用しております。

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