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夏休みが始まり早1週間。
塾生たちは朝から晩まで真剣に勉強しているようで何よりです。
世界の一流大学生たちは1日20時間勉強しています。
お風呂の中でもトイレでも勉強しています。
佐藤塾では20時間は睡眠時間を削るので、塾生たちは睡眠時間をしっかり確保して16時間は勉強してくださいと面談の時伝えています。
実際やってみると意外とできるものなのです。
私も最近は10時30分に寝て3時30分に起きて読書や勉強をしていますが、案外続くものです。
知的欲求に任せるままに学べるというのは、この上ない贅沢なので、塾生の皆さまはその幸せをしっかり自覚し、毎日16時間以上は勉強してもらいたいものです。
(受験生は18時間を目指しましょう)
閑話休題
長い自由な時間、夏休み。
その時間をいかに使うかは本人の自由です。
立場上勉強を勧めていますが、勉強というのは何も座学だけを指しません。
美術館やコンサートに行き、見識を広げたり、読書に時間を充てることも立派な勉強です。
受験生になれば、座学漬けになってしまいますので、案外座学以外の勉強に時間を充てられる期間は短いのかもしれません。
コロナ禍にあり、外出が推奨されないのであれば、隙間時間を読書に充てるべきです。
読書は著者の見識に触れられ容易に視野を広げられる魅力があります。
経験できない時代や世界を見ることもできます。
読書は何より価値のある習慣なのです。
あなたは1か月に何冊本を読みますか?
文化庁が2019年10月に発表した『国語に関する世論調査』の結果から社会人の読書について見ていきます。(調査対象は16才以上なので結果には一部学生も含まれます)
およそ半分は1ヶ月に全く本を読まない

結果は以下のようになっています。
読まない:47.3%
1,2冊:37.6%
3,4冊:8.6%
5,6冊:3.2%
7冊以上:3.2%
わからない:0.2%
日本人の約半数が読書を一切せず、1,2冊以下が84.9%です。
このグラフを見てチャンスだと思った方はいますでしょうか?
1か月に7冊本を読むだけで、日本の3.2%上位に入れるのですよ?
3冊読むだけで上位15%に入れます。
そこで提案です。
この夏休みの間に7冊本を読んでみませんか?
種類は問いません、しかし読むべき本はたくさんあります。
もし何を読めばよいかわからないという方がいらっしゃるなら、私がこの夏にふさわしい何冊かをご提案させていただきます。
偏りがあるかもしれませんが、いずれも良書なので一度は手に取ってみてください。
おすすめ図書7選
はだしのゲン(中沢啓治)
広島の被曝体験を元にした漫画です。
漫画ですが、読んでほしい作品なので、1番最初に持ってきました。
今日8月9日は長崎に原爆が投下された日でもあります。
米中の緊張が高まり、社会情勢が不安定になるなか、戦争の悲惨さや核の恐ろしさを唯一の被爆国の国民として知っておかなくてはなりません。
少し刺激が強いかもしれませんが、おすすめします。
夜と霧(ヴィクトール・フランク)
心理学者である著者がアウシュビッツ強制労働施設に入れられた経験を綴ったものです。
言わずと知れた名作で、アンネの日記と並び評されています。
島国である日本において多国籍の方と触れ合う機会は多くはありませんので、人種差別に触れる機会も少ないでしょうが、差別は未だに世界に蔓延しています。
タイトルにも書いたBlack lives matterは今、アメリカで繰り返し叫ばれている言葉です。
黒人差別の歴史は長いですが、2020年5月に白人警官が黒人男性を殺害したニュースはまだ記憶に新しいでしょう。
リンカーンが人類平等を唱え、キング牧師が訴え続けてもまだ黒人差別は無くなりません。
その背景には人間が持つ負の側面が色濃くあるのでしょう。
本書はその極地を知る機会になると思います。
やはり刺激が強いので、読むときは家族と一緒にいるときが良いかもしれません。
橋のない川(住井すゑ)
日本における被差別部落の話が書かれた小説です。
長編小説なので、読むには覚悟がいりますが、読むべき本です。
今の子どもたちはその存在すら知らないかもしれませんが、日本の中にも忌むべき差別は存在しました。(今もあるかもしれませんが)
世界がこれだけBlack lives matterを叫んでいる今、自身の出身国の差別の歴史を知ることは重要です。
長編なので、時間がある時に読んでみてください。
私はかなり昔に読んだので、ほとんど内容を忘れてしまいましたので、時間を見つけて読み返してみたいと思います。
海底二万里(ジューヌ・ヴェルヌ)
ちょっと暗い本ばかりだったので、方向性を変えてみました。
まるで未来を予知していたかのような描写が多々出てくる冒険の本です。
ディズニーのアトラクションで知った方も多いのではないでしょうか?
ヴェルヌの作品は時代を感じさせない驚異的な先見性によって彩られています。
私は海底二万里の他に『十五少年漂流記』や『月世界旅行』『地底旅行』なども好きです。
子どもの頃ワクワクして読んだのを覚えています。
サイエンスの世界に興味を持つきっかけにもなるかもしれません。未読の方にはおすすめです。
ガリヴァー旅行記(ジョナサン・スウィフト)
また冒険の本か!
と思われたと思いますが、冒険の本です。
小人たちの世界に言った話で有名ですが、あれはほんの一部の話にすぎず、ガリヴァー旅行記の話はもっと壮大です。
ジブリ作品の『天空の城ラピュタ』のモデルになった話もあります。
社会風刺でもあるこの作品は我々に数々の啓発を与えてくれます。
子どもの頃に読んで、大人になってからまた読むのだと違った楽しみ方ができます。読みやすい本なので気軽に手に取ってみてください。
十角館の殺人(綾辻行人)
ミステリー枠として選んでみました。
ミステリーなので、詳しくは語りませんが、最後の1行は衝撃です。
ネタばれ無しで読んでみてください。
教養には結び付きませんが、単純に面白いです。
屍鬼(小野不由美)
夏と言えばホラーです。
屍鬼はタイトルで「えっ?」と思ってしまうかもしれませんが、内容は美しくも物悲しい話になっています。
1巻の登場人物があまりに多く、誰が誰だかわからなくなりがちですが、2巻以降は比較的すいすい読めます。
漫画化・アニメ化している作品ですが、原作と内容がかなり違うので原作を読むことをおすすめします。
ちなみにご主人は綾辻行人。
番外編
いかがでしたでしょうか?
途中から作品の偏りを避けるため、エンターテイメント性の高い作品も選びましたが、どれもおすすめの本です。
私自身これを書いていてまた読み返したくもなりました。
特に最後の綾辻行人や小野不由美は当時宮部みゆきや、京極夏彦などの作品を片っ端から読み漁っていた青春時代の思い出なので、当時を思い出しました。
今回は書ききれませんでしたが、SF作品だとジョージ・オーウェルの『1984年』やフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』なんかもディストピア感があって読むとワクワクします。
塾に置いてある本は、教育関連の物だけですが、読みたいジャンルを言ってもらえればおすすめの1冊をお貸ししますので、塾生のみなさんはお気軽にお声がけください。
皆さんが人生を変える1冊に出会えることをお祈りしております。
佐藤塾
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