春期講習初日、中学生から受けた質問です。
音という単元は高校物理でも履修しますし、その性質は中学校から学ぶので多くの人がご存知のことでしょう。
しかし、いざ質問されてみるとうまい回答が見つかりません。
「え〜と、物体の運動によって空気が圧縮されて、その波が・・・」とか「振動による運動エネルギーが・・・」とか色々考えを巡らせているうちに、自分が簡潔に説明できない。つまり『わかっていない』ということに気がつきました。
そこで引き下がるペン藤先生ではありません。
高校物理の知識を使わず、中学生でも、小学生でもわかるように今回調べましたのでお聞きください。

拡がって、いわば薄くなるからです。
拡がらないようにすれば遠くに伝えることができます。
メガホンは音の拡がりを抑えます。
天空の城、ラピュタ というジブリのアニメ を思い出してください。 海賊船に乗ったバズーとシータが離れた所で会話している、それを海賊たちが聞いている場面があります。
伝声管という道具を使っています。 雨どいのようなパイプで、声はこのパイプのなかを伝わります。
外に拡がらないのでパイプの端までも伝わります。
同じような道具に糸電話があります。 道具でなく自然現象として、盆地で夜、遠くの音が聞こえる現象があります。普段は空に拡がってしまう音が地面に戻ってくる現象です。 スパイものの映画などで、水道管を使って離れた部屋にいる仲間と連絡する場面もありますね。



音に限らず、自然界にある物質は拡がるとその存在が希薄になります。
コップに1滴墨汁を垂らすとコップの水が染まり「墨汁入りの水」になりますが、
25mプールに墨汁を1滴垂らしてもプールに目に見えた変化はありません。
その場合「プールの水」のままです。
こんな説明でよろしいでしょうか?
この質問をしてくれたRさんは大人がスルーしてしまう(現に私はスルーしてしまっていた)ことにも興味を持って調べようとしてます。
これは大変素晴らしいことです。
かのアインシュタインの原点も父からもらった磁気コンパスの針が常に北を向くことに関心を持ったことがスタートだと言います。
ペン藤先生は「なんでなんで星人」が大好きです。
また生徒から興味深い質問が来たらブログでまとめたいと思います。
いつでもご相談・質問お待ちしております。