共通テスト「国語」の解き方

成績アップの極意

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ぺん藤先生
ぺん藤先生

今回は現代文の「評論」と「物語」の2つの解き方をシンプルに解説します。

最近よく都心にいる方からオンラインでの国語の個別指導をご要望いただきますが、申し訳ございませんがほとんどお断りさせていただいております。

その際、国語の解き方を体系的に文章でお送りしておりますが、これはその一部です。皆さんの国語攻略の一助になることをお祈りしております。

まず現代文は大別すると『評論』と『物語』です。

評論分とは何か?

『評論』は字の如く、論じられた文章になります。

もし仮に「スイカは果物ではないのか?」という疑問が投げかけれられたとして、
著者が「スイカは野菜だ!以上!」で終わってしまったらどうでしょうか?

この文章に説得力はありますのでしょうか?
ありませんよね?

A「スイカは果物ではないと考えられる」
B「しかし、スイカは実際のところ果物と同様に扱われている。事実スーパーマーケットでは、果物のコーナーに置かれている。」
A「だが、スイカが野菜であることについては農水省も認めている。同じウリ科のメロンも野菜に分類されている」

一例に過ぎないので、この程度にしておきますが、要するに評論文というものは、

Aという意見とBという意見、相反する意見をぶつけ合いながら、より精度の高い結論を練り上げる工程を示した文章のことを指します。

このAという意見とBという意見のいずれかが著者の意見になるわけですが、一方向から語るだけの文章では説得力も客観性もありません。
そのため、文中にはたびたび著者の意見とそれと反対の意見が出てきます。

また客観性を付すために、具体例が語られ、さらには『類比』に当たる文章で肉付けがされます。

例:「近所のスーパーマーケットに置いてあるフルーツの盛り合わせにスイカはしばし登場する」具体例

類比とは、同じ事象を違った言葉で繰り返し説明することを指します。
リンゴを知らない人にリンゴを説明する際、ただ『りんご』と言っても伝わらないように
『リンゴとは赤い果実であり』『甘くて加工食品にもよく使用される』『日本の特産地は青森県・長野県・山梨県などがあり、それぞれが独自の品種改良を加え国内だけでも50種類以上ある』
など、これらの説明はみなリンゴを指していますが、異なった表現でリンゴについて語り、情報を立体化させ、よりリンゴというものをわかりやすく説明しています。

評論文はこうして異なる意見をぶつけ合いながら、肉付けされ、作られて行きます。

そして問題を解くときには、この逆の工程が求められます。
肉を削ぎ、文章の骨子を探るのです。

テクニック的な話になりますが、『~とは』という言葉が出てきたら高確率で著者の意見です。
この部分のことを定義文と言います。

この定義文を軸に、これに反する意見と同調する意見を色分けしてあげると、評論文は2色にはっきりわかれます。演習の際に、私などは生徒に赤と青のペンをそれぞれ持たせ、著者の意見部分は赤、反対意見は青でくくることを勧めています。はっきりと文字通り色分けされるので、問題文で著者の意見を選べといわれたら、赤でくくられたところから答えを探してあげればよいのです。
色ペンが持ち込めないテストでは、波線と実線で分けるなどが可能です。

この作業を繰り返しているうちに、評論文の成り立ちを見極めることが自然とできるようになります。

物語文とは何か?

次に物語文ですが、こちらの構成はより単純です。

物語文は登場人物が、ある出来事によって心情が変化する様が書かれています。


Aくんは犬が嫌いだった→(出来事:川でおぼれていた時犬に助けられた)→Aくんは犬に感謝し、生涯の友達となった。

かなり簡略化したものですが、物語文はこのように構成されています。
もし、Aくんが犬に助けられたのに、相変わらず犬が嫌いだったら物語にならないからです。
嫌いなままのストーリーだったら、読者はきっと「助けられたのに嫌いなままなの?」と登場人物の心情に共感できず、受け入れられ難いからです。

物語全体を通してみれば起承転結という区分けができますが、往々にして入試問題の物語文はその一部を切り取っただけのものですので、この心情変化と出来事の仕分けが重要となります。

次に実際の問題の解き方ですが、まず最初に現代文を解く手順は
『注釈・タイトル』→『問1』→『本文』→『問2』→『本文』の順です。

ここで重要なのは、本文を全部読んでから問題を解くわけではないという点です。
『注釈・タイトル』から読む理由は、その文章の重要な情報が意外とそこに隠れているからです。
注釈を読むことで、その文章がおおよそどのような内容なのか想像することが可能ですし、タイトルは著者が最も語りたいことが付けられてることがあるので重要です。

また本文を読んでから問題を読んでも、忘れてしまっているため、再度読み直すことが必要となります。
国語は時間との勝負です。
効率的に問題に取り組むためには、本文を2度読んでいる余裕はありません(読むスピードに自信がある方は除きます)
問題を読んでから、本文の中からその問に該当する箇所を探す方が圧倒的に効率的です。

例えば、『お母さんに靴屋で赤い長靴を買ってきてほしい』という依頼に対して、その依頼を聞かずに外出する人はいませんよね?
そもそも「どこで」「なにを」探せばよいのかわからなければ見つけようがありません。
宝探しに出るときは宝の地図が必要なのです。
これは現代文の解き方にも言えることです。

本文を1度読んでから問題に取り組み、また本文を読む人は、

『何を探せばよいのか知らぬまま外出し、しばらくしてお母さんに「何を探せばよいんだっけ?」』
と聞きに帰ってくるくらい滑稽です。

そのため、まずは問題を読み、何を探さなければならないのか、よく理解してから問題を解く必要があるのです。

ぺん藤先生
ぺん藤先生

ほんの一部ですが、国語の解き方の基本になります。
国語はすべての科目の土台です。しかし残念ながら一番勉強時間を割かれない科目でもあります。

冬期講習でも国語の特別講座でじっくり解説しましたが、国語の解き方は一朝一夕ではなかなか身に付きません。

日ごろから多くの活字に触れることが重要です。

少なくとも1週間に1冊は本を読む習慣を身につけましょう。

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