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選択肢を見れば答えがわかるテクニック

このテクニックは主に国語と英語で使えます。
私自身、現役時代から現代文は間違えたことはほとんどないのですが、たまに問題文を読むだけで解けてしまう問題が共通テストにはあります。
一見邪道なようで、問題作成者側の意図(事情)を正しく理解していれば。本文を読まなくても選択肢の中から答えを見つけることはそう難しいことではありません。
記述式の問題とは異なり、選択問題の場合、選択肢に必ず答えがありますので、落ち着いて共通点を探っていけば案外答えは見つかります。
この方法は問題を解くためのテクニックではありますが、自分の中にメタ視点を持ち対策をする上で有効な考え方です。
明日から使えると銘打ちましたが、明日以降も使える論理的思考術ですのでぜひご一読ください。
名探偵は消去法で犯人を捜す

皆さんはコナンがいつもどうやって犯人を見つけているか知っていますか?
逆に毛利小五郎はどうやって犯人を見つけているでしょう?
少し想像してみてください。

その両者の推理プロセスには大きな違いがあると言えるでしょう。
まず、毛利小五郎タイプは「怪しいと思う人を犯人だと決めつけます」例えば強面だったり、挙動が不審だった人です。
一度犯人だと思ったらなかなかその考えから離れることができません。
「お前が犯人だ!!」と言っても、実はその人は犯人ではなかった。まったく怪しいと思っていなかった人が犯人だったなんて話よくありませんか?
これはフィクションだからというより、人の思考はそういう方向に流れやすいということを表しています。
逆にコナンはどうでしょう?
「あの人にはアリバイがある、だから違う」
「あの人とあの人は一緒にいたから違う」
と消去法で犯人をあぶりだしていきます。
この方法の良いところは、視野が狭くならないということです。
一度怪しいと思った人は、何から何まで怪しく思えてきてしまうのが人間だからです。

そう、名探偵は「消去法」で犯人(答え)を探すのです。
選択問題の場合、本文の内容に合致しているものを探すより、合致していないものを消去し、合致しているものをあぶりだした方が間違いがありません。
おもしろいもので、人間は一度自分が正しいと思うと、それが本当に正しい答えのように思えるものなのです。
しかし、間違い探しであればこのような認知バイアスは働きにくいです。
また出題者も、本文とまるっきり違う選択肢はなかなか出してきません。その事情については後述しますが、
パターンとして
『逆』『置き換え』『本文に書いていない内容』のいずれかに該当します。
本文がA/Bなら
選択肢は
A/C、B/A、B/D のような紛れ物を用意してきます。
例えばA君は/犬が好きという話であれば、
B君は/犬が好き(置き換え)
犬は/A君が好き(逆)
A君は/犬が死ぬほど好き(言い過ぎ:本文に書いていない
などの出し方をしてきます。
選択肢の前半が正しくても後半が正しくなければ×です。
出題者も明らかに違う選択肢ばかり出しては問題にならないので、本文をしっかり読んでいないと解けない『本文に書いていない内容』は多用してきます。
そのため、長い文章を区分けし、骨子を理解し、問われたときにどの部分を探せばよいか理解している必要があります。
選択肢だけで答えに迫れ!
選択肢が
犬、猫、ライオン、いわし、車
だった時、答えはどれが正しいでしょうか?

ちょっとだけ考えてみてください。
「犬」「猫」「ライオン」「いわし」「車」です。
わかるわけがない!!!と思われると思いますが、少しだけ考えてみてください。
出題者が問題を作る時の心理を考えるのです。
明らかに本文に合致しない選択肢は早々に除外され、回答者を楽にさせてしまいます。
そのため、明らかに答えではないものについては選択肢の中でもせいぜい1つか2つです。
この選択肢を見たとき、明らかに『車』が異質です。
そのため、『車』は本文に合致しない選択肢と判断し除外します。
次に『いわし』です。
他の3つが哺乳類であるのに対して、『いわし』だけが魚です。
よってこれも除外します。
残るは犬、猫、ライオンです。
猫とライオンは同じネコ科です。
犬と猫は良く対比される存在です。
つまり3つの選択肢のグループ分けをしたとき、『犬』が異質な選択肢となり、そしておそらくは
『犬』が答えの『逆』の選択肢なのではないかとあたりを付けます。
犬の逆は『猫』です。
おそらく『ライオン』は答えの『猫』の類似として選ばれた選択肢なのでしょう。
よって答えは『猫』と考えることができます。

この問題はあくまで一例にすぎませんが、問題作成者の意図を考えることはテストを解く上で重要です。
例えば東京大学の入試問題は「教科書の範囲から出題する」と言われています。
1999年には加法定理の証明がそのまま数学で出題されました。
しかし、加法定理をそのまま使うことしかしなかった人はその問題が解けなかったはずです。出題者がどういった問題を出してくるのか、どんな人なら解けるような問題にしてくるのか、それをしっかり考えられる人は受験において大きなアドバンテージを得ます。
例えば、新潟県高校入試の国語の出典がどのような基準で選ばれているのかとか、共通テストの作成チームは何年おきにどれくらいの割合で入れ替わってどんな人が問題を作っているのかとか、そんな情報を知らなくても出題範囲は公表されており、それを読み解くことで日ごろの勉強方法も効率的なものになります。
また、中学校の定期テストも何点が中央値になるよう作成されているか考えることでどこを勉強すれば何点取れるかわかるはずです。
問題を作る側の視点に立つこと、それこそが学業成就の一番の近道なのです。