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英語が英語じゃなくなる?!
2024年も共通テストが全国で実施されました。
昨年までは数学の難化が話題となり受験生たちを戦々恐々とさせましたが、今年は英語のリーディングが話題になりました。
大手予備校の有名講師や有名ユーチューバー(英検1級)がガチンコで解いてみたところ100点満点中94点しか取れなかったという話題がSNSを賑わせました。
問題の難易度を知る人間からは94点でもすごいと言うでしょうが、そもそも英検1級以上の実力者でも満点が取れないテストというのはどうなんでしょう……。
2022年に実施された共通テスト数学Ⅰ・Aの平均点は37・96点で、これまでの最低点だった2010年の48・96点を11点下回りました。
この変化は多くの受験生たちと塾関係者たちに衝撃を与えました。
この難化の最大の要因は「文章量の増加」です。
そして、今回の英語リーディングの難化要因も同様だと分析しています。
国語を軸とした大学入試
20年前のセンター試験英語では3000語だったのに対し、2023年と2024年の共通テスト英語では6000語を超えました。
この事から共通テスト英語ではより英単語を覚えていないと太刀打ちできないことがわかるでしょう。
しかし、英検1級を持っている人たちは当然そのレベルの英単語であれば全て覚えているはずです。
なのになぜ100点が取れなかったのでしょう?
実際に解いている様子をyoutubeで公開している動画がありましたので、それを見たところ、時間がぎりぎりになってしまっているのも要因のように思えました。
この共通テスト英語の文章量は、仮にネイティブの方でも易々と満点は取れないでしょう。それだけ読むスピードが求められる内容になっているのです。
2022年に実施された共通テスト数学Ⅰ・Aも同様のことが言えると思います。
共通テスト数学も難易度が高い問題というよりかは、前置きに書かれている文章が長く、すべてを読んでいると時間が無くなってしまうという側面があります。
そのため、有効な情報を見つけ取捨選択する力が明暗を分けたのです。
数学は得意だけど、国語は苦手。そういった数多くの数学自慢たちを泣かせたのが2022年の共通テスト数学だったのです。
国語化する共通テスト
これは独立行政法人大学入試センターが公開した2024年共通テスト結果の公民分野にあたるものです。
右から3番目の数字が「最高点」になります。
この数字の驚くべきところは、日本中の受験生の中に1人も倫理、政治・経済で満点を取っている人間がいないという点です。
これは政治経済の29問目にあたるものです。(今年は全部で30問)
この文章を読み、以下の問いに答えるのが問題となっています。
もしよろしければちょっと解いてみてください。
宇宙条約の条文を与えられ、それに違反する事例を選ぶだけですから、時間をかければ中学生でも解ける問題です。
難易度としてはかなり易しいと言えるでしょう。
しかし、このような問題があるのにも関わらず、政治・経済の最高点は94点どまりとなってしまっているのです。
なぜそのようなことになるのでしょう?
その理由は、やはり文章量の増加によるものだと思います。
私自身、解いてみた印象では時間内に解き切るには、それ相応の国語の力が必要だと感じました。
問題文が何を聞いているのか、どのデータを拾えばよいのか、その判断をシームレスに行うには、政治・経済だけの知識では足りないと感じました。
何が重要で、何が重要ではないのか。
実際、私自身が解いたとき、29問目の問題の条文を全文読むことはしませんでした。必要だと思うところだけ読み、解きました。
他の科目でも同様のことが言えます。地理にしろ、物理にしろ、化学にしろ、文章量は年々増え、情報処理の能力がより求められていくはずです。
手遅れになる前に国語の勉強を
国語力は一朝一夕では身に付きません。
しかし、ひとたび身についてしまえばその後の勉強に非常に役立つ能力です。
佐藤塾新潟校では国語専門塾として国語の力を伸ばす授業をしています。
実際、入塾後国語の点数を大幅に伸ばし、100点、99点と高水準をキープしている子もいます。
長岡校では原先生による国語の授業を受け、国語が一番の得意科目になったというケースも多々目にしております。
つい後回しにしがちですが、根底的な部分で最も学力に影響する国語こそ、早めの対策が必要なのではないでしょうか?
下の動画では国語に関するお話をさせていただいております。
随時更新していきますので、よろしければご覧ください。