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好スタートを切る受験生たち
3月23日に始まった春期講習も本日3月31日で終わります。
3月29日の高校3年生数学B「平面ベクトル」の授業では、受験を控えた現高校2年生たちが真剣に問題に取り組んでいました。
旧帝国大学を射程に入れている理系の子は、有名大学の過去問演習でも涼しい顔をして解いていました。
2024年度の受験生たちは中学校時代から、あるいは小学校時代から佐藤塾で勉強してきていた子たちが多いので、すっかり受験への意識が日常的に沁みついている様子でした。
2024年度の高校数学の授業はⅠA・ⅡBともに網羅型問題集を積極的に消化するカリキュラムになっていますので、この1年でさらに圧倒的な力をつけてくれると思います。
東京大学・京都大学などの旧帝国大学上位の大学を除けば、網羅型問題集の演習を日常的に行い、夏以降に各大学の対策をしっかりしていけば本番で合格点が取れます。
英語や国語、その他科目の対策も必要ですので、できるだけ効率的に数学は学んでいきたいところです。
春期講習の授業では、「平面ベクトル」の裏技とまでは言いませんが、重要な考え方や筋道の立て方などを解説しました。参考書にも載っていない考え方を説明すると、聞いている子たちはそれをすぐに理解し、自分のものにしてくれていました。頼もしい限りです。
今年の受験生たちは高校1年生の頃から大学受験を見据えて都度、勉強の内容や方法について細かく指示を出していました。
大学受験は高校受験と異なり、1年で何とかなるレベルのものではないからです。
大学受験は受験生になるための準備が必要で、それが足りないと希望する大学への進学が困難となってしまいます。
今回の記事では、「地方における大学受験最大の障壁とは?」というテーマでお話させていただきたいと思います。
この記事を読むことで皆様の「未来の後悔」を少しでも無くせれば幸いです。
地方における大学受験最大の障壁とは?
結論から申し上げますと、ずばり
「情報不足」です。
これを挙げるのにはある理由があります。
それは大学受験で志望校合格できないケースの大半が「時間切れ」によるものだからです。
当たり前の話ですが、合格する学力を身に着けていればおのずと合格という結果はついてきます。
しかし、受験当日に合格するに足る学力を持っていなければ合格することができません。
そしてその学力は「必要な勉強」をこなすことで身に付きます。
必要な勉強は志望する大学によって異なります。
A大学ならどれくらいか、B大学ならどれくらいかという、おおよその大学の難易度を理解することで初めて「必要な勉強」の内容が具体的に見えてきます。
例えば「共通テストで90%」の成績を取る勉強と「共通テストで80%」の成績を取る勉強では勉強の強度が全く異なります。
目標の難易度を知らず、やみくもに勉強してもそれが「必要な勉強」であるのかはわからないのです。
そしてそれは鬱蒼とした原生林の広がる森を通り抜けるのに、地図もGPSも持たずに挑むことを意味しています。
目的地は徒歩で10日かかるところにあるのに、6日分の食料しか持たず出発したら途中で力尽きてしまいます。
高い目標を掲げる場合、それに見合った準備期間が必要になります。
また情報不足にはもう1つ問題点があります。
これまでお話したのは「登る山の高さを見誤った」というケースですが、逆に「低い山を高い山と誤認してそもそも登らない」というケースも存在します。
これは身近にその山の登ったことのある人がいない場合起こりうる問題です。
現代の日本は、少子化や関東圏の大学人気集中などにより、かつての大学難易度とは大きく変わりつつあります。
中にはかつては比較的入りやすい大学として捉えられていたところも、人気が上がり難関校の仲間入りをしたというケースもあります。
逆に地方国立については、共通テストの合格最低点や倍率などを見ていると15年前などと比べて難易度は落ちているのではないかと考えることもできます。
それなのに勉強を始める前から「国立は無理」という考えを持ってしまっているケースが少なくありません。
例えば新潟大学だって医学部医学科を除けは、必要な勉強を数年かけてこなしていけば、かなりの確率で入れると個人的には考えています。
ここで言う「必要な勉強」というのは私の感覚的にはかなり少ない時間になります。
志望する大学を過小評価することも良くないですが、同様に過大評価することも良くありません。
正解は、『正しく難易度を理解すること』です。
しかし、この正しく難易度を理解することが難しいのです。
なぜなら難易度を測るための「ものさし」がまだ本人に備わっていないケースがほとんどだからです。
それなりに勉強している子であれば、自身と志望校との距離を正しく認識できるかも知れませんが、それができるようになるのはある程度受験が近づいてからです。
高校1年生のうちは、まったく実力が伴わないうちから暗闇の中を進むしかありません。
『本当にこの勉強で良いのだろうか?』
『そもそも何でこの大学を目指しているんだろうか?』
など不安の声が沸き上がってくることもあるでしょう。
そんな時、モチベーションを保ち、やっていることに意味があると認めてくれる存在が必要なのです。
また自身の中に明確な「ものさし」を作るためにも徹底した情報収集が求められます。
「ただ勉強をする」という漠然とした目標では、日々の高校生活に忙殺され、日に日に目的意識が希薄化してしまうかも知れません。
そのため、まず勉強を始める前に「情報収集」することで長い大学受験に耐えうるモチベーションを持つうえでも必要なのです。
大学受験は全国の受験生が相手
高校受験は地域の受験生たちとの勝負でしたが、大学受験は全国の受験生たちとの勝負になります。
関東圏の中高一貫校などは勉強をほぼ1年前倒しに進め、高校3年生になったら受験対策を始めます。
私立の中高一貫校の合格実績が華々しいのは、これが最大の要因だと私は考えています。
大学受験を考えた時、明らかに都心の受験生の方が有名大学進学しています。
しかし、これは子どもたち自身の能力による結果だとは思えません。
もちろん、小学4年生から中学受験し、中学校進学後も大学受験を見据えて夜遅くまで塾で勉強している子たちは間違いなく優秀です。
ですが、地方にも優秀な子は多くいます。
なのになぜか一定のレベル以上の大学の話になると途端に地方出身者の数が減ってしまいます。
これはやはり、都心の受験生たちは地方の受験生たちより勉強を始めるのが早いからだと考えます。
特に理系の場合、この差は顕著になるでしょう。
大学の二次試験は理系の場合、数学はほとんど数学Ⅲの内容になります。
一般的な公立高校の授業進度の場合、高校3年生になってから数学Ⅲを習うケースがほとんどです。
しかし、これですと受験対策の問題演習が間に合わないという問題が発生してしまうのです。
その点、1年前倒しで学習を進めている私立中高一貫校は1年間まるまる受験対策に使えるので、このアドバンテージは計り知れないものになります。
佐藤塾でも理系の子には、早めに数学ⅠⅡABと英語を完成させるよう声掛けをしておりますが、中にはやはり学校の進度に任せてしまっている子もいます。
また国公立大学を受験する場合、共通テストでは理科科目と社会科科目を合計3科目が必要になります。
さらに二次試験でも必要な場合は、より高いレベルで理解している必要があります。
これらの事実を考えるとより早く英語と数学、そして国語を完成させておく必要があります。
しかし、この『感覚』は実際に各大学の問題を解き、レベルを知っている人間でなければ分かりようがないと思います。
佐藤塾では共通テストは当然として、様々な大学の入試問題を講師自身が解いています。
そのため、よりリアルな現在のレベルが分かります。
理想は高校生自身が、自分で早い段階で共通テストと各大学の過去問を解いてみたうえで必要な勉強を分析することですが、現実的にはなかなか難しいと思います。
しかし、これを怠ると『正しく難易度を理解すること』はできません。
有名な英語講師の竹岡先生は「最高の教材は赤本」といつも仰っています。
いきなり赤本は大変だと思いますが、最終的なゴールを知らずに勉強しても効果は薄いでしょう。荒療治ともとれる勉強法かも知れませんが、早い段階でゴールを見ておくことは有効です。
河野玄斗さんも「全体像の把握」が重要なことはいつも仰っています。
繰り返しになりますが、大学受験という成人する前の最後の最難関を超えるためには、早い段階からの目的意識と情報収集が必須です。
もしお子さん自身に危機感が足りず、モチベーションが低いようであれば、「そのまま進んだ先にある景色」が良いものであれ、悪いものであれ、伝えてあげるのが人生の先輩である大人の役割であり、私共塾の務めなのかも知れません。
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