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『天才』を作るための条件とは?
みんなさんは「ラズロ・ポルガー」という人物をご存じでしょうか?
ラズロ・ポルガーはハンガリーの教育心理学者です。
彼はある変わった研究をしていました。それは「天才たちの共通点について」です。
ある時彼は「天才たちには特定の共通点がある」ことに気が付き、そしてそれは先天的なものではなく、後天的に与えられるものであると結論付けました。
天才なのに後天的?と思われるでしょうが、この事実を知ると天才とは何なのか、ギフテッドとは何なのかという答えが見えてくる気もします。
ラズロ・ポルガーは自身の説を証明するために周囲に実験(天才を作る)を申し出ますが、全て断られてしまいます。しまいには精神科への受診を勧められたそうです。
そこでラズロ・ポルガーはある作戦を立てます。
それは「自分の子どもを天才に育てる」というものでした。当時彼はまだ独身でした。
ラズロ・ポルガーの実験
そこで彼は「私は天才を作ることができる。だから私と結婚して子どもを作り、協力してくれ」と様々な女性たちに訴えました。
そして1人のクララというウクライナ人の女性が名乗りを上げました。
そうして2人は3人の娘を授かり、ポルガーは実験を始めました。
この時、ポルガーは何の「天才」にするか悩みました。
そして「チェス」の天才に育てることに決めたのです。
「なぜチェスなのか?」という質問にポルガーはこう答えています。
チェスは客観性がある。
もし絵描きや小説家の天才として育てたとしても、本当に世界に通用するレベルなのか議論の余地が残ってしまう。
しかし、チェスは成績に基づく世界レーティングがあり、議論の余地がない。
また当時は特にチェスは男性の競技で、女性のトップランカーは存在しませんでした。
現代の将棋・囲碁でも上位は男性が占めており、女流という枠が用意されるほど男女の実力差が明確です。
そしてそれはチェスの世界でも同様でした。
またポルガー自身はチェスが強くなかったことからも、「遺伝による才能」という可能性も排することができました。
前置きが長くなりましたが、ポルガーの実験の具体的内容についてお話させていただきます。