家で勉強ができない本当の理由

この記事は5分で読めます。

目次

子どもが家で全然勉強しないんです!という保護者様へ

うちの子がゲームばかりして、全然勉強しないんです。
気が付いたらスマホをいじっていたりして…
最近隠すのも上手になって、うまく叱れないんですよね。

そのようなご相談を良く伺います。
今回は、なぜ子どもたちは家で勉強ができないのか、またどのようにすれば勉強ができるようになるのかについてお話していきたいと思います。

自宅では勉強できないので、塾か図書館に行こう!

結論から申し上げると「自宅で勉強できない」子が「自宅で勉強できる」子になるのはかなりハードルが高いです。
そのため、環境を変えてしまうのが最も現実的な対応策です。
結論だけを聞いてもピンとこないと思いますので、その理由を解説していきたいと思います。

家庭学習の習慣は6歳までに決まる?

これまで多くの子どもたちに勉強を教えてきて、家庭学習習慣のない子に家庭学習習慣が身についたケースはほとんどありません。

なぜなら

子どもたちにとって自宅というのは癒しの場であり、勉強する場ではないからです。

例えば、お風呂場はあなたにとってどういう空間でしょう?

体を洗う場所の他に何か役割があるでしょうか?

もし今日から、お風呂場で寝てくださいと言われて熟睡できますでしょうか?

または、ベットの上でご飯を食べてくださいと言われたら、違和感を感じませんか?

その違和感の原因は

「習慣」です。

人間は習慣の生き物なので、昨日までの習慣をそう簡単に捨てることはできません。

もし、習慣を変えるなら大きなストレスが伴います。

家庭学習習慣のない子どもにとって、自宅は遊びの空間になっています。

特に自室は「娯楽の空間」であることが多いです。つまり「遊ぶ場所」「休む場所」なのです。

この習慣は、これまでの人生で何年もかけて形成されてきたものですので、一朝一夕で変えることは難しいのです。

小学6年生なら12年、中学2年生なら14年の人生をかけて自宅の隅々まで「役割」が決められているのです

それを短期間で変えるのは並大抵のことではないのです。

家庭学習の習慣のある子の大部分は、幼いころより家庭学習の習慣がある子です。

これは、歯磨きやお風呂に入るなどと同じことで、最初は抵抗のある習慣でも時間をかけてなじませていけば、逆にその「習慣」をしないと落ち着かなくなるのです。

・自室には遊び道具は持ち込まない
・家に帰ってきたらまず30分勉強する

など、良い習慣は幼いころから重ねることで、さして抵抗もなく継続できます。

しかし、この習慣は先にも述べたように一朝一夕では身に付きません。

その子の年齢に比例した期間、継続させることが求められます。

6歳の子どもに習慣づけさせるのと、18歳の子どもに習慣づけさせることは同じ労力ではありません。

人間の思考は紙粘土と同じで時間が経てば経つほど習慣や思考が硬直化し、なかなか自分を変えられなくなります。

歳をとればとるほど過去の経験や知識に縛られ、頑固になってしまうのです。

人の話を聞かなくなったり、異なる意見に寛容ではなくなります。

これは自身にも言えることなので、頑固爺と言われないよう戒めていく必要があります。

話がやや脱線しましたので、家庭学習習慣に戻りましょう。

家庭学習習慣をある程度の年齢まで身に着けることができなかった子はどうすれば良いでしょうか?

答えは冒頭にお伝えした通り、場所を変えればよいのです。

勉強する場所を変えるのが一番効果的

人間が変わる方法は三つしかない。一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える、この三つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは、「決意を新たにする」ことだ。かつて決意して何か変わっただろうか。行動を具体的に変えない限り、決意だけでは何も変わらない。
大前 研一

人間の意志というものは、自分で思っている以上に一過性のもので、希薄です。

「勉強するぞ!」と意気込んでも、翌日にはやる気は霧散してしまっている経験、皆さんはないでしょうか?

決意に支えられた行動というのは、よほどのものでない限り継続されません。

しかし、環境が変われば人間は変わります。

私の知り合いで、何度も禁煙に失敗した人がいました。

毎回禁煙を宣言しますが、うまくいきません。

しかし、ある事故でけがをし、入院してから禁煙は成功しました。

それは、環境が変わったからです。

物理的にタバコを吸うことのできない環境に身を置いたことで、習慣から離れることができた一例です。

勉強上手は自分を追い込み上手?

勉強が得意な人は、自分を追い込むことも上手です。

短期間で劇的に成績を上げた子で、「一所懸命勉強する子と一緒に勉強する」ことを実践した子がいます。

となりで勉強している子が一所懸命だと、自分もやらざるを得ないので、勉強が捗るのです。

これは、先ほど述べた大前 研一さんの言う3つ目、付き合う人を変えるにも当たりますね。

佐藤塾には週6で通って自習している子が何人もいますので、そういう子と一緒に勉強すると嫌でも成績は伸びます。(週7で勉強している子もいます笑)

ある東大生youtuberさんも、学校の勉強ができなかったとき、クラスで一番成績の良い子にくっついてその真似をしたら劇的に成績が上がったというお話もあります。

自宅で勉強できないのは、その子のせいではない

自宅だと勉強に身が入らないと嘆く子もいます。

しかし、それはその子自身に問題があるわけではないのです。

これまで述べてきたように習慣による当然の帰結なのです。

下手に強要し、自己肯定感を下げる前に環境を変えることをお勧めします。

家で勉強するから図書館(塾)にはいかないは嘘

何度も言いますが、理由をつけて環境を変えようとしないうちはやる気がないといえます。

結局理由をつけて勉強から逃れようとしているだけなので、「家で(自分で)やれるから大丈夫!」という言葉を信じたいという親心はわかりますが、これまで家庭学習をしていたか否かを思い出してみてよく考えてみる必要があります。

何度も言いますが、決意を新たにすることほど無意味なことはありません。

私も何度も運動不足を解消すると決意しましたが、その決意はすべて無意味なものでした。

犬を飼う、高いランニングシューズを買うなどして自分を追い込む行動をして初めて少しは運動をするようになりました。

環境を変えれば習慣が変わります。
習慣が変われば人生が変わります。
まずは環境を変える第一歩を勇気を出して踏み出すことが大切です。
何も塾に通わなくても近隣の図書館などの自習室でもよいのです。
そこには一所懸命勉強している仲間がいます。
その環境に身を置くことが何よりの近道なのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次