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以前も別ブログで「電子辞書と紙辞書どちらが良い?」という内容で書きましたが、今回はその話の延長です。
この記事を書いたのは2年前ですが、最近新たな気づきがありましたので、改めてこの話について話していきたいと思います。
まず結論から言いますが、電子辞書は必須です。
なぜ必要なのか詳しく説明していきたいと思います。
1、語彙力を育む習慣
国語を教えていて常々感じることは、国語が苦手な子の多くは、語彙が少ないという点です。
しばし国語の力を伸ばすには読書、と言われますが、私の解釈は少し違います。
ただ読書するだけでは不十分なのです。
たまに「本はたくさん読んでいるのに、国語の点数が伸びません!」という子や親御さんがいますが、それは本から得ているものが少ないからだと私は結論付けています。
例えば、本を読んでいて、読めない漢字や表現が出てきたらどうしますか?
まさか、なんとなく読めているからという理由で辞書などで調べず読み飛ばしてはいませんよね?
本に限らず、日常でわからない言葉が出てきたら、瞬時に調べる習慣が大切です。
「わからないことをそのままにする子」と「わからなければ調べる子」どちらの成績が伸びやすいかは自明だと思います。
鋭い子は、日々の生活からも様々な学びを得ています。
好奇心が強く、知的探究心に溢れる子はどの子も優秀です。そういった子はしばし「なんでなんで星人」になるので、指導者側からすると手のかかる子であることが多いです。
私はそういう子の方が教えがいがあって好きです
しかし、その姿勢は勉強においてとても重要です。
なんとなくの理解ではなく、ちゃんと自分で納得できる。または他人に説明できるレベルの理解ができるまで突き詰めてやることが勉強には大切なのです。
話を電子辞書に戻しますが、電子辞書があればわからない言葉を即座に調べることができます。
広辞苑で日本語を調べるのはもちろん、1台で英単語、古文、漢詩なども調べることができます。
紙辞書でそれだけの機能を補おうとするとかなりの量の辞書になってしまいますが、電子辞書ならコンパクトに携帯できます。
これはスマホでも良いと思うかもしれませんが、勉強中にスマホで調べ物をして良いことはまずありません。
ネット検索は情報量が多すぎて目移りし、集中力が途切れてしまうからです。
常に勉強する机の上に電子辞書をおいておいて、わからない言葉があれば瞬時に調べる習慣を身につけると学習効果がグッと上がります。
語彙力が上がれば全ての科目の学習効果が上がります。なぜならほとんどの科目の説明や問題文は日本語で書かれているからです。
逆に日本語がわからない(語彙がわからない)と説明の意味も分かりませんし、問題文が何を聞いているのかもわかりません。
国語は全ての科目の基礎基盤にあたります。勉強が苦手な子はまず語彙力を身につけましょう。そして語彙力をつける上で電子辞書の活用は非常に有効です。
2、英単語を耳で覚えられる
英単語の覚え方には様々な方法があります。
書く、見る、発音する、聞く
どれが1番有効なのかはいろいろな意見があるため、私自身も1つだけ選べと言われたら答えるのは難しいです。
しかし、そんなこと考える必要はないのです。
全てやれば一番効果的です。
英単語をプリントやノートに書いている時、わからない単語は電子辞書で調べ発音を聞きながら自分で口にしてみるとより効果的です。
私自身、英単語の暗記は苦手でしたが、この方法で1日に100単語覚えました。(100問ある英単語プリントを自分でテストしながら5周すると1週間経っても70%くらいは覚えられます。この方法を繰り返していけば、安定して英単語の記憶量を増やしていけます)
またアクセントも学ぶことができるので一石二鳥です。
ご存知の通り、センター試験から共通テストに変わってから、リスニングの比重は上がっています。
電子辞書で発音を確認しながら英単語を耳で覚えることは、リスニング対策にもなります。
何度も発音を聞いて、耳でも覚える習慣をつけましょう。
また最近の電子辞書は、自分オリジナルの暗記帳を作る機能なんかもあります。
わざわざ紙に書いて暗記帳を作るまでもないのです。
さらに英単語教材のベストセラー・ロングセラーが収録されている辞書もあります。
私自身、電子辞書に収録されているターゲット1900にはかなりお世話になりました。
3、多機能すぎる最近の電子辞書
まずはこのページを読んで見てください。(アフィリエイトではないですよ!)
どれだけのコンテンツが収録されているのかがわかります。
電子辞書は年々進化を続け、私が受験生だった頃よりずっとずっと高性能になっています。
英語や古典、漢詩はもちろん、物理・化学・地学・生物・政治経済・倫理などなど受験で必要な科目の教材のメジャーどころが大体収録されています。
これだけの書籍を実物で持とうとすると洒落にならない量になります。
しかし、電子辞書なら非常にコンパクトにそれらが携帯可能です。
種類はいろいろあると思いますが、私が現役の時に使っていたのはCASIOのエクスワードでした。
一番高いものを買う必要はないと思います。しかし、何冊も参考書を持ち歩くより電子辞書を1台持っていた方が楽です。
せっかくなら大学受験まで使えるものを、という考えでも良いと思いますし、逆に今の電子辞書は安価なものでも高性能で最低限の機能を備えていますので、最初から高いものを買わなくても良いとも思います。
ちなみに今のエクスワードは、何とこちらの英語の発音を採点してくれる機能まであるようです。(QuizKnockの皆さんがAmazonの商品紹介で説明しています)
決して安い買い物ではありませんが、学びを加速させるアイテムですので、ぜひ早期に取得されることをお勧めします。
小学4年生以上になったらもう持っても良いと私は考えています。
ちなみに子ども4人を東京大学理科三類に入れた佐藤亮子さんのご長男は、電子辞書を酷使しすぎて2台壊し、3台買ったという話を著書の中で語っています。
多機能すぎて何をどう使えばわからず、最初は戸惑うかもしれませんが、少しでも気になったことは調べて、ぜひ使い倒してもらいたいです。
個人的に私は電子辞書の「ジャンプ」機能が好きでした。
説明文の中にわからない単語がある時、その単語を指定して、その単語の説明にジャンプできるという機能です。
この掘り下げを続けていけば様々な知識を同時に得ることができます。
番外編 本を読むときは隣に電子辞書を用意?
私が中学生の頃、少し背伸びした本をよく読みました。
特にハードカバーの本や、分厚い本を読んでいると大人から褒められるので見栄を張ってよく分厚い本を読んだものです。
京極夏彦の百鬼夜行シリーズなどは言い回しがいちいち難しく、当時の私には読めない字ばかりでした。
そのため、電子辞書や紙辞書で調べながら言葉を増やしていきました。
そしてそこで学んだ難しい言葉をあえて日常生活の中で使ってみるのです。
すると大人たちはまた「難しい言葉を知っているね」と褒めてくれます。
そして私はまた気を良くして新たな言葉を仕入れるために、わざと難しい本を手に取るのです。
今思うと、仕入れた言葉の使い方にやや無理があったり、間違っていたものも多々ありました。
しかし、当時周りにいた大人たちは、私のその誤りを訂正せず受け入れてくれる寛容さを持っていたました。中学2年生ごろ特有の背伸びを微笑ましく見守られていたと思うと、赤面してしまいますが、お陰で私は読書や言葉を増やす行為に前向きになれました。これはとても幸運なことだったと思います。
「神出鬼没」をすごく恥ずかしい読み方をしていて、あるとき自分で誤りに気がついた時のことを今でもよく覚えています笑
私も今指導する立場になり、子どもたちの背伸びや挑戦を暖かく見守る側になりました。
しかし、惜しむらくは大部分の子たちは背伸びや挑戦をせず、転ばない堅実な学び方をしている印象が強いです。ある意味賢くなったのだと思いますが、若い今のうちにどんどんミスして学んでいけば良いのに、と思わないでもないです。
わからなくても、間違えても、それは一時の恥です。長い人生で見ればむしろ間違えたり恥をかいた方が得をすることの方が私は多いと思います。
自明でもあえて質問する姿勢、常識や公式を疑う健全な猜疑心、無謀とも取れる開拓精神。
こういった要素を持つ子も佐藤塾にはいます。その子たちを称賛することで、より多くの子たちがそれに追随してくれることを日々画策しております。
失敗というのは・・・・・・ いいかよく聞けッ!真の失敗とはッ!
開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に、
無縁のところにいる者たちのことをいうのだッ!
これはジョジョのスティーブンスティールのセリフですが、私はこの言葉が大好きです。
後半話が少しずれましたが、電子辞書を持つべき理由について説明させていただきました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。