ギフテッド児の子育てで迷ったら

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たくさんのお問い合わせありがとうございます!

ここ数ヶ月は週に2~3件のお問い合わせ、もといご相談をメールにて頂戴しております。
それも日本全国から様々なご相談をいただき、少しでもお役に立てればと現状いただいたメールにはすべて返信させていただいております。
自分の書いたブログがここまで反響あるとは思わず、子育てで悩まれている保護者様の多さを痛感いたしました。

返信は佐藤塾のメールアドレスからお送りさせていただいておりますので、フィルター設定されている場合、返信が届いていないか、迷惑メールに分類されてしまっているかもしれませんので、届いていないという方はフィルターを解除した後、再度ご連絡ください。

いただくご相談の内容は多種多様ですが、ギフテッドであるかどうかを見定めるのにも、ギフテッドの特性を知るにもかなりの時間と情報が必要となります。

直接子どもと会話をし、時間をかけて少しずつ理解を進める必要があります。そのため、メールなどでは十分な回答にならないことも多いかと存じます。

それでもできる限りお力になりたいと思いますので、できれば下記の内容を添えてご相談いただければ幸いです。

①子どもの年齢・性別
②特徴的な出来事
③ ②に付随する悩み

特に②は重要です。
保護者様の主観的なお子さんの特徴ではなく、具体的にどういう行動があるのかが重要です。

例えば、ギフテッドの特徴で「敏感である」というものがありますが、敏感さにも種類があります。

・物音に敏感で注意散漫になる
・服についているタグを嫌う
・食べ物が混ざることを極端に嫌う(ヨーグルトとバナナは好きでも、混ぜたら食べない)

などなど言い出せばキリがありませんが、敏感さにも種類が存在します。

ただここで注意していただきたいのが、その「敏感さ」がどの程度の期間続いているか、ということです。
例えば9歳になっても服についているタグを嫌い、常にタグを外さないといけない子なのか、その特徴は幼少期のみに見られたのかです。

成長はすべてを癒す?

ギフテッドに限らず、子育てには常に悩みが伴います。

しかし、その大部分は子どもの成長によって解決されます。

パウリーネ・アインシュタインは、長男のアルベルトが3・4歳になってもなかなか言葉を話さないことを心配し、医師にまで相談しました。しかし、具体的な対応策はなく、息子の成長を静かに見守りました。

月日が過ぎ、5歳になったアルベルトは言葉を話すようになりました。

アインシュタインが言葉が遅かった話は有名ですが、結果的に親ができたことは「成長を見守る」ことでした。

この時、パウリーネがわが子を矯正しようと強引な手を使ったら、どのような結果が出ていたのかは知る由もありません。しかし、問題行動の多かったエジソンも、母親の見守る(ある程度好きにさせる)ことが後の躍進に繋がったことからも、焦らず見守ること(過剰な干渉は行わない)が最大の援助である場合もあるのかも知れません。

『みにくいアヒルの子』に込められたメッセージ

みにくいアヒルの子は、著者のアンデルセンの生涯をモデルにしていると言います。

童話で有名なアンデルセンも先天的な課題を持って生まれました。身内には父親も祖父も発狂死しており、父方祖母は虚言癖がありました。

その傾向はアンデルセンにも受け継がれ、幼少期から成人した以降も大いにアンデルセンを苦しませました。しかし、その傾向は実は神様からの贈り物(ギフト)で、その空想力を活かし今なお世界中で子どもたちに語られる素晴らしい物語をいくつも作り出しました。

ディズニー改変されてますが、アナ雪も原作はアンデルセンですね。

ギフテッド児がしばし、低達成(アンダーアチーブメント)に陥ってしまうことは問題として挙げられますが、その原因は周囲との差異をギフテッド児が感じることから始まります。

みにくいアヒルの子のように、アヒルの群れに1匹白鳥の雛がぽつんといることを想像してみてください。違いを許容できる成熟した組織であれば問題は起こらないでしょうが、子どもの集団はそうではない場合が多いです。

みにくいアヒルの子も、最初から白鳥の群れに属していれば周囲との差異に悩むこともありませんでしたし、将来あるべき姿も容易に理解し、高い自己肯定感をもって成長できたことでしょう。

アンデルセンの不幸は、父親が早世し、またその特異性を理解し導く同族がそばにいなかったことかも知れません。

子は親を映す鏡、親は子を映す鏡

慶応大学教授の安藤寿康先生は著書の中で「すべては遺伝」と語られています。

この説が正しいと仮定するのであれば、ギフテッド児の周囲には同じ特異性を持った存在がいるはずなのです。

それが父親なのか、母親なのか、祖父なのか、祖母なのかはわかりません。

しかし、必ず存在するはずなのです。

もし心当たりがないのであれば、その人はその特異性を社会に認識される形で顕在化できなかったのかも知れません。
しかし、その特異性、周囲との差異について悩んだことはあるはずです。

「私も配偶者も勉強が苦手で、学歴は全然です」と言われる方もいるかも知れませんが、日本の入試制度はむしろギフテッド的な特性を持つ子にとって向かないことも多いのです。

世界各国の入試制度については別の記事でも書きましたが、日本の国公立大学、その最高学府である東京大学は言ってみれば国家に奉仕する人材、官僚育成機構です。つまり異端や独創力とは真逆の官僚制組織に適した人材を求めているのです。

なので、先入観を取り払い、家族で話し合ってみることも重要です。案外自分自身がそうであるという可能性は捨てきれないのです。

多くの場合、大きな成功があって、その後に成功の理由を探した時初めて周囲の評価や歴史上の偉人との共通点を見出し、自覚します。
「自分はギフテッドである」と自覚している人はむしろ少数で、逆に自分はなんてダメなやつなんだと逆の認識をしている場合の方が多いのです。

そうして誰がその特異性を遺伝させたのかわかればあとは明快です。

その人の過去の失敗や苦難を踏まえ、ではその時どうするべきだったのか、という視点で子どもを導いてあげれば良いのです。

先人の経験は子どもにとって大きな指針となります。

わが子が理解できない!と苦しんでいらっしゃるのであれば、夫婦で話し合うことが大切です。大抵の場合、両親のどちらかが同じ傾向をもっています。自分が理解できないのであれば、配偶者がそうである可能性が高いのです。

しかし、先ほども申し上げたように、その特性に自覚的な人はむしろ少数です。自分だけは絶対違う!と決めつけず、よく自己分析することが肝要です。

子どもを理解する時は、自分自身や配偶者を理解することが助けになるのです。

もし、子育てでお悩みの場合はまずそこから始められることをお勧めいたします。

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