浪人で偏差値は上がるのか?~かつての常識・今の事実~

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今回は、『浪人すると偏差値は上がるの?下がるの?』という疑問に、塾業界で長年見てきた事実と、私自身の経験を交えて考えていきたいと思います。

浪人に向いている人、向いていない人の違い

成功する浪人、成功しない浪人の違い

など説明していきたいと思いますので、どうぞ最後までお付き合いください。

まず質問をさせてください。

浪人という言葉を聞いてあなたはどういうイメージをしたでしょうか?

まさか、寝間着を着て無精ひげで背中を丸めて勉強している姿を想像されたのではないですよね?

50代の方の中にはこの『冬物語』を思い出した方もいるのではないでしょうか?

ようこそ!暗黒の浪人生活へ
は、なかなかですね笑

この『冬物語』は5つの大学を受験するも全て落ち、当時付き合っていた彼女にまで捨てられた末、浪人生活に突入する優柔不断な主人公とその周りの女性たちの恋物語です。

1987年から1990年まで少年ビックコミックで連載された漫画なので、今の子どもたちは知らないでしょう。

とにかくこの漫画の主人公「森川光」はとても優柔不断で、勉強も真面目にせず、ただだらだらと浪人を繰り返す人物で、読み手をイライラさせる存在です。

創作物の持つ影響力はすごいもので、きっとこの漫画を読了した人は、浪人に対して良いイメージは持てないでしょう。

私自身、高校3年生の時のOC(オーラルコミュニケーション)のM先生が言った言葉は今でもよく覚えています。

M先生:浪人して偏差値はどのくらい上がると思う?

ぺん:8~10くらいですか?

M先生:上がってせいぜい2、宅浪(塾に通わず、自宅で自学のみで浪人すること)はむしろ下がる。

M先生は1浪して金沢大学に合格した経験のある方でしたが、この言葉は後半は正解にしても、前半はそうとも言えないと後に私は思いました。

前置きが長くなりましたが、私の結論をお伝えします。

浪人は・・・

偏差値が・・・

 

 

 

 

 

 

めちゃくちゃ上がります!!!!

 

まず実体験ですが、偏差値が20は浪人で上がりました。

18年間寝太郎の私は、19年目にして初めて勉強を始めました。

その結果、be動詞を知らない状態から国立大学に合格することが出来ました。
(恥ずかしい話ですが)

もし現役の時、進学するなら私はいわゆるFランと呼ばれる私立大学すら合格することができなかったでしょう。
(現役は長岡技術科学大学だけ記念受験して、惨敗しました)

周囲や教え子にもこれは当てはまります。

かつての教え子の中には色々な子たちがいますが、みな順風満帆というわけではありませんでした。

新潟大学を落ちたK君は、1浪して横浜国立大学に合格しました。

埼玉大学を落ちたH君は、1浪して東北大学に合格しました。

3回新潟大学医学部を落ちた三重県出身のM先輩は、4回目で合格し、今では年収1500万円で、綺麗な奥さんをもらって幸せな家庭を築いています。
(パインの缶詰とフルーツグミを食べながら勉強する変わった人でした)

語ればきりがないので、最後に有名どころを言うと、灘高校出身の東大理3youtuberの「ベテランち」さんは現役の時は不合格でしたが、1浪して見事合格を果たされました。(動画がとても面白い上にためになるのでお勧めです)

 

 

これらの実績から分かるように浪人は、偏差値が大いに上がる可能性を持っています。

というか、よほど間違った勉強法をしない限り偏差値は上がります。

浪人で偏差値が上がらないと言われているのは、昔は自宅浪人が主流で、我流で非効率な方法で勉強している人が大部分だった時代だからこその意見です。

現代では優秀な参考書が数多く世の中に出ていて、また学習塾の指導レベルも上がっているため、浪人は成績を上げるのに最適な身分なのです。

しかし、浪人生の中にも成績が大いに上がる人と、そうではない人がいます。

これは一体どういうことなのでしょうか?

次に浪人に向いている人と向いていない人の違いについて話していきたいと思います。

目次

浪人に向いている人はどんな人?

ずばり

天才肌の人です

言い方を少し変えましょう。

マルチタスクが苦手で、日常生活に苦労するほど集中力散漫で、スマホが手放せない人です。

1浪して東京大学理科三類に合格された人気youtuber「ベテランち」さんも、Twitterが大好きで夜中の3時までスマホが手放せず、学校に寝坊して遅刻、または16時まで電車の中で寝ていたエピソードがあります。

当然学校の出席日数が足りず、学校の先生の恩情もあり、ギリギリの出席日数で卒業したと自身の動画の中で語っています。

世間で知られる天才と呼ばれる人種は、決して多才ではなく、1つのことに秀でた人間のことを指します。
多才で知られるレオナルドダヴィンチですら、注意力散漫の傾向があり、目の前のタスクを完遂することがなかなかできなかったといいます。

世に知られる天才肌の人たちにとって、学校は決して居心地の良い場ではなく、また能力を高められる場でもありません。

雑音が多すぎるのです。

しかし、浪人は違います。

学校に行く必要がないのです。

24時間を自分で好きなように過ごせるので、だらけているように見えても、ストレスが無い分、純度の高い集中した時間を設けることが出来ます。

このメリットは天才肌の人たちにとって計り知れません。

スマホが手放せず、だらだらしてしまう人こそ浪人すれば才能が花開き、本当の実力が出せるのです。
(ちなみにこのタイプは親がガミガミ言うと、精神的に参ってしまうので逆効果です)

 

このタイプでもない人も、浪人すれば普通に成績は上がります。

学校の授業は受験に関係のないものが70%くらいを占めていますので、高校の授業3年分より浪人した1年の方が受験にとっては価値が高いのです。

しかし、中には森川光くんのように、成績の上がらない人もいます。

それはどんな人かというと、
目的意識の低い人です。

冬物語の森川光くんは、恋愛に夢中で勉強そっちのけ、志望動機も曖昧で、コロコロ志望先を変えてしまいます。

これでは受験で成功するわけがありません。

受験は自分との戦い

です。

強い目的意識を持ち、ただ前に進んでいれば必ず目標に手が届く日が来ます。

しかし、その前に進む先をコロコロ変えたり、途中で諦めてしまえば目標には一生手が届きません。

人の足を止めるのは、絶望ではなく、諦観(あきらめ)

人の足を進めるのは、希望ではなく、意志 

私の好きな言葉です。
諦めない限り、必ず目標に手が届く日が来ます。
浪人で成功する人と、成功しない人の差はそこにあります。
諦めず、前に一歩ずつ進んでいきましょう。

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